ムハンマド以前からあった言語
アラビア語はイスラム教圏の多くで使用されている言語です。
その歴史は大変古く、イスラム教の開祖であるムハンマドがアッラーの啓示を受けるよりもさらに前から言語体系として成立していたことがわかっています。
ただし劇的に言語が発展したのはやはりムハンマドとコーランの影響が大きく、ムハンマドの受けた啓示を文章として残すためにイスラム教の発展とともにアラビア語の綴りはそれぞれの方言ごとに細かく改変されていきました。
ムハンマド以前のアラビア語を「古典アラビア語」、以降のものを「現代アラビア語」と呼んで区別をすることもあります。
現代アラビア語には多数の方言があることから、一般的にイスラム教圏でのメディアやビジネスでは古典アラビア語が使用されることが多いようです。
アラビア語を日常生活で使用している人の数は2~3億人とされており、その多くはアラビア半島から地中海南沿岸に存在しています。
さらに広く北アフリカ諸国や大西洋岸までの広いエリアでも使用している人がいることがわかっており、世界で使用される大言語の一つと言ってもよいでしょう。
アラビア語独特の言語体系
アラビア語は日本人が習得をしづらい言語の一つとしてよく挙げられます。
その言語体系は非常に独特であり、まず最初に基本として覚えなくてはいけないことは大量にあります。
例えばアラビア語で使われる表記文字は全部で28文字あり、それらはすべて子音を示しています。
文字表記は右から左に向かって書かれ、母音となる3つの音は表記されることなく子音の上下に符号としてつけられるようになっています。
つまり日本語や英語とは全く異なる方法によってあらゆる表現がされるため、学ぶときにはまさにゼロから覚えるくらいの気持ちが必要になります。
他にも多数の独自のルールがあるので、初学者はかなり本格的に学ばないと単語の記憶や日常会話にまで辿り着くことができません。
語学スクールや検定もあります
習得が難しいアラビア語ですが、世界的に使用する人口が多いことやイスラム教を理解するためには不可欠なものであることから、日本国内には数多くのスクールや教材があります。
大手の語学スクールならばアラビア語教室は大抵のところにあるので、通学で会話をみっちり習うということもできます。
NPO法人によるアラビア語検定試験も実施されており、協会を通じてアラビア語を話す各国へ語学留学を斡旋してもらうこともできます。
アラビア語で難しいのはやはり日本語にはない発声で、スクールではその発音練習が最初のトレーニングになります。
実際に習った人の声を聞くととにかく根気が必要だという意見が多いため、実用レベルになるためには相当本気で取り組まないといけないでしょう。