英語・オランダ語と近い言語
ドイツ語は古代ローマでできたラテン語が独自に発達した言語で、ゲルマン語派として分類される言葉の代表です。
同じゲルマン語派に属す言葉として英語やオランダ語があるため、文法的にも表記的にも非常に近い形が3つの言葉にあらわれています。
世界の共通言語となっている英語と最も近い言語とされていることから、英語の習得と並んでドイツ語も習得するという人も多く見られています。
ただ英語と大きく違うのが単語に性があるということで、その単語がどちらの性に属するかによって冠詞などの変化が発生します。
また表記記号にも独特のものがあり、通常使用される26文字のアルファベットに加えて、A・O・Uの文字の上に2つの点がついた「アーウムラウト」「オーウムラウト」「ウーウムラウト」という文字と、ギリシア文字のベータによく似た「エスツェット」という文字が加わります。
ドイツ語が話される地域について
ドイツ語はドイツ国内で使用される言語であるとともに、ヨーロッパの他の地域でも広く母国語とされています。
併合の歴史のあるオーストリアの他に、スイスやリヒテンシュタイン、ベルギー、ルクセンブルクといった小さな国内でも公用語として使用されています。
他にもドイツ国領と隣接する地域であるフランスのアルザスやイタリアのチロルといった地域でもドイツ語が使用されているケースが見られます。
さらに移民として渡った米国やカナダ、南アメリカ諸国などでも独自のコミュニティでドイツ語を使用しているケースもあり、世界中で使用されているところを見ることができます。
ちなみにドイツ語を母国語とする人口はヨーロッパ全体では第一位、全世界では第10位です。
日本におけるドイツ文化と言葉
日本とドイツは古くより深い文化的交流があることはよく知られています。
特に黒船以降の明治維新では、日本国家を近代化するためにドイツに政治家たちが渡ってその制度の多くを参考にしたことは歴史の授業で必ず習う重要項目です。
日本で最初の憲法である大日本帝国憲法もドイツ憲法からの影響を多く受けており、法制度や政治制度に関してはかなりの影響が見られます。
また単語そのものがドイツ語から日本語として定着したケースも多く、「アルバイト」「ゼミ」「エネルギー」といったものは英語の「Part time job」や「seminar」「energy」とは異なって用いられます。
法律や政治とともに日本に大きな影響を与えたのがドイツ医学で、「カルテ」という単語がドイツ語であるとともに、数年前までの手書きカルテはドイツ語で内容を記載するのが常識になっていました。