ロシア語

ロシア語
ロシア語

スラブ諸語の第一言語

ロシア語はスラブ諸語として分類されている数多くの言語の中でも最も使用する人数が多い言葉です。

現在の使用人口は約1億6,700万人とされており、旧ソ連圏内に生活をしている少数民族の多くが未だにロシア語を使っています。

歴史的には1917年までロシア語はロシア帝国の公用語として使用されてきた経緯があり、それ以降も共産主義体制化で他の共和国の公用語よりも優先して使用する言語として広く使用者を増やしていきました。

ソ連崩壊後も世界各地に移住をしたロシア人たちが独自のコミュニティを作っており、そこでの使用者人数の多さもあり国連の公用語としての地位をロシア語は獲得するに至っています。

しかし1991年のソ連崩壊は同時にロシアの共和国支配の力を確実に弱めており、今後は周辺の国々が独自の言語を用いるようになることも予想され、世界の第一言語でありつづけることができるかは疑問視される声もあります。

ロシア語領と隣接して勢力を強めてきているのがベロルシア語領とウクライナ語領です。

習得は日本語に匹敵する難易度

ロシア語は世界中にある言語と比較して、日本語に匹敵する難易度であるとされています。

難易度を高めている原因は屈折の豊かさにあり、名詞・形容詞には3種類の性と2種類の数、さらに6種類の格がつきます。

他にも動詞では3種類の人称と2種類の数、そこに現在・過去・未来の三種類の時制がつきます。

相当ロシア語を勉強した人でも、ひとつの文章で使用される動詞をどう変化させるかを正確に把握するのはかなりの難易度となっています。

使用される表記文字は「キリル文字」と言われるもので、これはギリシア語をもとにしつつ独自の進化をしたものです。

ロシア語を習得するときにはまずこのキリル文字の表記方法をしっかりと覚えることが必須となってきます。

キリル文字のアルファベットは全部で33文字あり、内訳は10の母音字と21の子音字、そこに2個の記号文字が加わるという構成です。

文字は通常のアルファベットに近いものの独自の形状をしているので音と形を一致させるまで少し努力が必要です。

日本ではなぜか大人気になるロシア文学

日本とロシアは距離的に近い位置にあるものの、中国や韓国と比較してそれほど親しみのある国という印象ではありません。

生活習慣や建築など文化や宗教についてはロシアからの影響が強いものはそれほど多く日本で見かけることはできません。

しかし不思議なことに文学だけは異例で、日本の文壇においては定期的にロシア文学ブームが訪れます。

最近では2008年にロシア文学の再ブーム到来として、ドストエフスキーの名作である「カラマーゾフの兄弟」など多くの作品が再販されベストセラーになりました。

日本文学の礎を作った作家たちである二葉亭四迷や田山花袋もロシア文学からの影響を色濃く受けており、今後も日本の文学の地脈としてロシア文学はあり続けることと思われます。

そんな影響もあってか、ロシア文学を原書で読みたいという動機でロシア語を習得したいと希望する学生もかなり多く見られています。